Amazon PBから考える、”疑似体験“と”実体験“の壁

少し古い記事ですが、AmazonがスポーツウェアのPB生産をスタートするとのこと。

【アマゾンが自社ブランドのスポーツウェア生産へ、業界に衝撃】
→https://newspicks.com/news/2560025/

スポーツ用品に限らず、ファッション関連商品はVR等の技術向上により“疑似体験”の質が上がり、
かつリーズナブルさが担保されている「EC×PB」に消費ボリュームは移っていくでしょう。
その一方でPBより高価格帯のブランド品(ブランドの持つ世界観やストーリーに価値があるもの)等はこの限りではなく、ECでも実店舗でも売上は増えることがないように思われます。

否、第一次の情報収集がネット中心に行われている限り、徐々に買われなくなっていく公算が大きいです。
有名ブランドを例にとってみましょう。

  『エルメスのスカーフの意匠の細やかさ、鮮やかさ、手触りの質感が写真で伝わるか?』
  『ハリーウィンストンのダイヤモンドの、美しい輝きが映像を通じて理解できるか?』

百聞は一見に如かず。目の前で見て、触って、五感で感じなければ価値の真髄は掴めません。
”実体験“があるかないかで、人の判断基準は大きく変わります。

(最近ブランド品離れが叫ばれていますが、1つの理由に、ネットによる情報の敷衍化により、
 実物を見ることなく“疑似体験”で判断を下し、“実体験”に結びつきづらいことが挙げられると思います)

 

では如何に“実体験”を創造するか?

数年前からO2O=アプリや広告を通じて店舗・売り場に足を向けさせる、という試みがなされていますが、まだまだ試行錯誤、これは、という絶対解は生まれていないように思われます。

そんな中、最近行われている取り組みを3つ。

①【増えるホテル事業参入、“宿泊”体験こそがアパレルを救う!?】
→https://www.wwdjapan.com/491977

②【エアークローゼットとエイブルが表参道エリアにリアル店舗~(以下省略)】
→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000011623.html

③【アパレル企業が日本初上陸グルメを次々に手がけるワケ】
→http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1008498/020200599/

 

ビジネスモデルは三者三様ですが、共通しているのは「アパレル×〇〇」という既存の枠組みを越境した取り組みであり、アパレルをストレートに売り込んできているわけではないところです。直接的な導線作りに躍起になるのではなく、宿泊・身支度・食事といった日常の延長線上に“実体験”を自然と織り込み、「五感でブランドを味わう機会」、「新しい自分(装い)との出会い」といった価値提供をしています。
これが感動体験となり、該当ブランドへのポジティブな感情が育まれ、ファンへの第一歩を踏み出す後押しになるわけです。

 

今回の話はアパレルの世界に閉じましたが、他のモノ、ひいてはサービスでも同じことが言えると思います。

「臨場感」を越えて「手触り感」レベルで顧客にプロダクトを届けられるかが、今後のビジネスの成否を分かつ要諦になるでしょう。
「手触り感」は机に座って考えているだけでは感じられません。モノ・サービスを自身で体感し、味わいつくすことが重要です。

最新テクノロジーしかり、前から気になっていたけれども、“実体験”できていないこと、もしあるならば、まずはチャレンジされてはいかがでしょうか?